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そこはかとなく。

小僧の神様・城の崎にて
志賀 直哉 / / 新潮社
スコア選択: ★★★★★
学生時代に課題で読むことになって買ったものの、「小僧の神様」だけ読んで放置していた文庫ですが、歯医者の待ち時間用にと本棚から取り出してきて、ようやく全部読むことができました。

当時は正直言ってあまり面白いと思えなかったのですが、今読むとかなり面白かったです。
簡潔な文体で綴られた文章は、リズム良く読み進められました。
表題作以外では、『赤西蠣太』や『流行感冒』、『転生』、『好人物の夫婦』などがお気に入り。

「小説の神様」なんて言葉で表現される、素晴らしい作家であることは重々承知の上ですが、読みながら思ったのは、「この人、変な人だなぁ」ってことでした(笑)。
文学者の人が聞いたら怒られそうですが、私の中での変な作家ランキング2位です。
(ちなみに1位は室生犀星。この作品とかね。)

・・・いや、「変な人」というのは悪い意味ではなくて、「面白い発想をする人、面白い話を書く人だなぁ」という感じ。
爆笑するような面白さでなくて・・・なんだろう。登場人物の考え方だったり、話の展開の仕方だったりに、なんとも言えない味がある、と言いますか。
こういうのって、文学ならではの面白さなのかもしれませんね。

もしかしたら私の志賀直哉像は、おかしな方向を向いてしまっているかもしれないので(笑)、気が向いたら別の作品集も読んでみようと思います。
by mistysnow | 2007-05-14 00:52 |
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