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改めて、「THE有頂天ホテル」の感想です。
群集劇を書かせたら日本一じゃないかと個人的に思う三谷さんの、真骨頂といえる作品でした。 年明けを約2時間後に迎える大晦日の、あるホテルが舞台。 ホテルマン、客、ショーに出演する芸人・・・様々な立場の人間が、様々な事情を抱えて、様々な事件に出くわし、それぞれが少しずつ影響しあう。 主要な登場人物だけでも20人強。 主要なエピソードも(明確に区別は出来ませんが)10個近く。 クスクス笑えるシーンはたくさん、爆笑できる場面もあちこち。 胸を打つセリフもいくつか。やるせない気分になることも何度か。 この複雑に入り組んだ物語が、縦糸と横糸になり緻密に織り込まれて分かりにくくならず、ちょっとだけハッピーな結末に向かっていく様は、本当に鳥肌ものでした。 たった2時間の間に人間はそう変われないし、人生が大きく好転したりもしないけれど、下を向いていた人が前を向いたり、自分の気持ちを確認したり、アヒルを捕まえたり(笑)することは出来るんですよね。 明日また落ち込んだり、窮地に立たされるかもしれないけれど、その日幸福な気持ちになれたという事実はちゃんと残るはず。 そして、そういうことの積み重ねで日々は続いていくんだと思います。 スタッフロールがすべて流れて映画館に灯りがついた時、後方の席にいたおばさんが、 「あー、面白かった」 と、ほんっとに満足したような声で言っていたのが印象的。 あんなふうに「面白かった」と言ってもらうために、きっとこの映画は作られたんだよねと思うと、私まで嬉しくなってしまったのでした。
by mistysnow
| 2006-01-30 22:47
| 映画・TV・舞台
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